茨城県立歴史館と偕楽園&千波湖(1)


1. 茨城県立歴史館へ

 歴史館は水戸市の偕楽園にほど近い場所にある。
3月20日まで開催中の特別展「イカ -アイヌ刺繍の世界-」を観るために来た。
11:00から始まる展示解説に参加して、20数名ほどでぞろぞろと学芸員の方に付いていく。
 展示室は撮影禁止のため画像で記録しておくことができないのが残念だが、「アットゥシ」と呼ばれる羽織(晴れ着)の数々は素敵でかっこいいものだった。
生地は樹皮・植物から糸を精製して反物にしたもの、
木綿、絹や、交易で得た着物の小袖に手を加えたものなど。
 アイヌ刺繍は独特だ。一見、太い直線と曲線でダイナミックに縫い付けられているけれど、間近で観察してみると、樹皮から作った糸を模様を飾るようにかがってあったり、色の異なる刺繍糸で繊細で美しいグラデーションを施してあったりする。
作り方によって呼称が異なり、「カパラミ」、「チヂリ」、「チカペ」などがそうなのだが、アイヌ語も独特だなと思った。
「ラ」「プ」の字が小さいのはアイヌ語の発音に近く表現するためだそう。
アイヌの人たちは文字を使わず、口伝だったと。
刺繍の模様は子どもが幼いころから砂に真似して描いたりして受け継いでいったそうだ。

展示室の入口には展示にあたってのあいさつ文があり、隣にはアイヌ語のものもあった。すべてカタカナで単語ごとに区切ってあるが、アイヌ語に無知なため、2行ほど読むだけでゲシュタルト崩壊を起こしてクラクラした。

展示の後半は蝦夷地と水戸藩の関わりについて。
徳川光圀が50m弱の帆船(20分の1スケールのモデルも展示)を製造して蝦夷地調査へ3度赴いた(2回は松前藩に断られた)とか、石狩川を航行中に櫂に鮭がバシバシ当たったという記録が残されているとか、蝦夷地の詳細な記録を残した木村謙次、松浦武四郎、測量をした間宮林蔵のこととか少しだけど知ることができてよかった。

見学を終えて出口へ行くと、アットゥシの試着コーナーがあったので、3種類のうちの一つを着させてもらった。
一眼レフを初めて触るという係員さんに「押すだけだから(^^)」となんとかお願いして撮ってもらった。
おもて
うら

 歴史館は刀剣乱舞-花丸-スタンプラリーの対象施設になっていたようで、
「脇差 銘 長曾袮興里入道乕徹」の本物と偽物をみることができた。違いは説明書きがあったが、そう言われればそうかな..という感じで私にはさっぱりだった。刃紋も似せることができるんだなぁ。
展示の前にはひっきりなしに刀剣女子たちが訪れていた。

 常設展もさらっと見学して、おみやげにアイヌの楽器「ムックリ」を購入。
口琴と呼ばれるもので、竹のヘラみたいな方を口にあて、紐の先についた棒をひっぱって「びょーん、びょーん」という音を出す。
やってみたけれど、音自体を出すのがなかなか難しい。でも面白い。
世界口琴大会なんてあるのか。どんな評価基準なのだろうか。

 館内のカフェで「徳川将軍珈琲」(徳川慶喜が飲んでいたかもしれない当時の珈琲を再現したもの。300えん。)をいただいて、歴史館をあとにする。

2. 旧水海道小学校 本館

 歴史館の敷地内に再建された小学校。
瓦屋根とバルコニーという和と洋が混じった建築で素敵。
中の見学もできる。木の床をミシミシいわせながら教室へ入ると、年代順に給食のサンプルが展示してある。当時の献立表もあって、しみじみ懐かしく思う。


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