屋久島編 4 -大川(おおこ)の滝

 島の南、安房(あんぼう)方面を目指す。
30分ほどで、3日間お世話になる「民宿あんぼう」に到着。チェックインにはまだ早いので、昼ごはんを食べに行く。

「屋久島有用植物リサーチパーク」の駐車場に車を止めて外に出た途端、燃えるような暑さに「おぉっ!?」と声をあげて驚いてしまった。途中スコールに会い、今は快晴になっていた。走行中はエアコンのせいでわからなかった。こんな暑さを体験したのは初めてだった。
これが、亜熱帯の島。
 パーク内のレストランで和風ハンバーグセットをいただく。生きかえった。デザートと食後のアイスティーを飲んで、ごちそうさま。
 リサーチパークは広ーい土地に屋久島の植物をほとんど展示しているのだが、何せ暑いので涼を求めて本日のメイン「大川の滝(おおこのたき)」へ行くことにした。

 尾之間地区、栗生浜を通って40分ほどで大川の滝への入口に到着。1台しか通れない幅の道を進むと小さな駐車場がある。
5台の駐車スペースのうち1台がちょうど空いて、すかさず入った。

 日本の滝100選の一つでもある大川の滝で最初に驚くこと、感動することはふたつ。
ひとつはもちろん、視界いっぱいに広がる岩肌と滝。
もうひとつは、周りに転がっている石のでかさ。
1個1個大きな石の上に手をつきながら慎重に渡りつつ、滝つぼの傍まで行くと、落水のとどろきと、とめどなき水しぶきを浴びた。 しばらく呆然と眺めていた。
まわりには、カップルらしき二人、家族連れ、男性二人組がそれぞれ好きな石の上に座ったり横になって滝を見ていた。
滝つぼから流れ出る水に触れると、とても冷たくて気持ちよかった。



 時刻は午後3時10分。民宿のチェックイン時刻は過ぎたが、安房へすぐ戻るのはもったいないので、大川の滝から10分ほどのところにある「屋久島フルーツガーデン」へ行く。
入口はすでにジャングルの雰囲気。扇風機のまわる素朴な休憩所で入園料500円をおばちゃんに払うと、いくつかのフルーツをお皿に盛って一つずつ説明してくれた。
スターフルーツ、たんかん、パッションフルーツ、たんかんジャム、スモモジャム。バナナ。まさに星の形をしたスターフルーツはとっても「しゅっぱい!」。
1ミリほどの薄切りという理由がわかる。
 奥にいたお客さんが「スターフルーツは熟してもすっぱいの?」と訊いた。
フルーツガーデンのおじさんは「ええ、そうです。すっぱいだけのくだものです」とキッパリ答えていた。
 ひと休憩すると、おじさんがガーデン内を案内してくれるということで、他のお客さんと一緒にガーデンツアー出発!
…ガーデン内はほとんどジャングルだった。
「どこにでも、好きなところに生えるがいい。」という教えに沿ったかのように自由に分布する植物たち。一つ一つ説明するおじさんの話を、前にいた小学生くらいの子が熱心にメモっていた。
 ひとまわりして、もし蚊にくわれても大丈夫。休憩所の柱に「キンカン」があります。

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