屋久島編 12 縄文杉登山 -(7)ついにゴール!「縄文杉」でお昼ごはん

  午前10時38分。小さなざわめきが聞こえてきた。
もしかしたらゴールが近いのかもしれないと思った。
 午前10時40分。「縄文杉」展望台が見えた。現地点の標高約1300メートル。
「着いたーーー!」
展望台を昇ろうと階段に足をかけたが、次の一歩が上がらない。到達して安心してしまったらしい。疲れが一気に出たのだろうか。でも昇らないと見えない。
深呼吸をして「えいっ!」と一息に昇った。

「縄文杉」があらわれた。(縄文杉を大きく表示

 貫禄あるその姿をしばらく立ったまま上から下まで眺めていた。
すると同い年くらいの女性二人に写真を撮ってほしいと頼まれたので、縄文杉がなるべく入るようなアングルでシャッターを切った。
両手を頭の上で合わせて「縄文杉ーー♪」と言ってポーズをとったのがおもしろかった。それから、あとから着いた人たちの邪魔にならないように端によって座り、時間的には早めのお昼ごはんを食べた。
縄文杉を眺めながらの食事は格別だ。周りの人たちも感動を分かち合いながら楽しそうに話したり写真を撮ったりしていた。ケータイのカメラで撮っている人もたくさんいた。私のはカメラは付いていなくて、ずっと圏外だった。

 続々とゴール到達の人達がやってくる。ガイドさんと一緒の人達は展望台では食べないようだ。
次にやってきた女性二人組は、「もう着いたよ!早くない!?」と言った。「楽勝だったね」とも。そりゃ、2人で励ましあいながら来れたのなら時間もあっという間に感じただろう(羨望)。

 食事を終えて展望台の碑を読んだ。
縄文杉は直径5メートル、周囲25メートル。推定樹齢は2170~7200年といわれている。人間の寿命なんてちっぽけに思えてしまう。眺めていて思ったことは、「そこにそのまま在る」ということ。難しく考えても結局自分は自分でしかない。それなら「そのまま」でいればいいんじゃないかって思った。

 大株歩道入口の注意書きには午後1時までにはここを出発するようにとあったけれど危惧するまでもなかった。午前11時ちょっと過ぎ、縄文杉に別れを告げて展望台を降りた。
再び4時間の帰路についた。