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屋久島編 13 縄文杉登山 -(8)ヤクシカとばったり

  今回の旅の目的は達成した。きっともう2度とここには来ないだろうなと思いながら元来た道を行く。さすがに下りは楽だ。木漏れ日が木の道を照らしていた。
「縄文杉」に会った・観たという満足感でいっぱいだった。まだ登山中の人たちとすれ違う時も、一方はたいへんそうな表情で、一方私は笑顔で道をゆずる。しかし、昇る時ハシゴのようだった階段は下りるときもつらかった。トントンとリズム良く降りたいが段差が大きく、湿って滑りそうでこわい。

だから慎重に後ろ手をつきながら一段ずつ降りた。
 改めて見ると道のほとんどが樹の根に覆われてしまっていたり、沢に倒木が転がっていて、どこを通っていいのかわかりにくい場所がいくつもあった。ホントよく通ってきたなあと感慨にふけった。


 40分後、大王杉まで戻ってきた。ちょうど樹の説明を聴いているグループに出会った。そして気付いた。
みんなが観ている樹と、私が大王杉だと思っていた樹が違うのである。山側の草木に埋もれた樹が本物の「大王杉」で、写真を撮った崖側の樹は名前の無い「大きな樹」だったのだ。きっと「大王杉」を示す看板の向きが微妙なせいだ。

 午後12時23分。「ウィルソン株」まで戻ってきた。周りにはカップルらしき2人しかいなかった。疲れていたので私は遠慮せず手近な切株にこしかけた。ウィルソン株は広場のように開けた場所のちょっと高いところに口をあけて存在している。RPGなら中には宝箱があって然りである。ここにも木漏れ日があたりを照らし出して、ガクガクいうヒザもいやされる風景だった。おしりに根っこが生えないうちにウィルソン株に別れを告げた。

 午後12時32分。ふたたび「翁杉」。大株歩道最初の大木であり、歩道の最後を告げる樹でもある。大樹と岩とコケの緑にうもれた太古の森をめいっぱい堪能して、疲労もめいっぱいだったけれどとても満たされた気持ちだった。
 午後1時頃、復路のトロッコ道のはじまり「大株歩道入口」に下り立った。やっとこあと半分である。しかし、平坦な道が続くのでいくらかはマシだ。

 午後1時30分。ヤクシカ発見。
しかも親子だ。線路の上を子どもが親のあとをチョコチョコとつかず離れず歩いていた。
 ヤクシカとヤクザルが付近には住んでいるはずで、ヤクザルにも出会えたらいいなと思った。



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